選ばれる理由

多くの患者さまは、まず最初に病院で診察を受け、検査や処方によって症状の改善を試みたものの、なかなか納得のいく結果が得られなかったり、原因がはっきりしないまま経過観察となったりした場合に、鍼灸という選択肢を思い浮かべて来院されることが多いようです。

そのような背景をふまえ、当院ではまず、患者さまの現在の状態を西洋医学的な視点からしっかりと把握することを大切にしています。既に受けておられる病院での診断や検査結果を参考にしつつ、必要に応じて徒手検査やヒアリングを通じて、現代医学的にみた体の状態を丁寧に確認します。そのうえで、東洋医学の視点——全体的なバランス、気血の巡り、体質や季節・気候との関係など——を脈診・腹診・問診などから重ね合わせて、一人ひとりに合わせた施術方針を立てています。

こうした両者の視点を組み合わせることで、「病名はつかないけれど調子が悪い」「原因はわかっているが治療法が限られている」といったお悩みに対しても、より柔軟に、そして総合的にアプローチできると考えています。

西洋医学も東洋医学も、それぞれの歩みのなかで常に発展を続けており、医療全体の考え方や治療法も日々進化しています。たとえば、現代の西洋医学では分子レベルでの研究が進み、病気のメカニズムがより詳しく解明されつつあります。一方、東洋医学においても、古典に基づく治療体系を土台にしながら、現代のライフスタイルや社会環境に即した新たな応用が模索されています。

こうした流れの中で、私たち鍼灸師も、変化し続ける医学情報に常に目を向けていくことが必要です。当院では、日々、最新の医学的知見や臨床経験を取り入れつつも、東洋医学が本来持っている「個をみる視点」や「全体の調和をはかる」という特性を大切にしています。

そのうえで、年齢、体質、生活習慣、心身の傾向などを丁寧に把握し、一人ひとりに合わせた施術プランを立てていきます。こうした積み重ねにより、患者さまご自身が本来持っている自然治癒力を引き出し、健康の維持・増進に役立てていただけるよう努めています。

訪問鍼灸につきましては、患者さまのバイタルチェックを初め、その日の機嫌なども重視して関わらせていただきます。

痛みにつきましてはもちろんですが、食欲・睡眠・排便・移動などの日常生活環境についても施術対象として、関わらせていただいています。

患者さまの声にならない痛みや不調に気付けるよう、細心の注意を払って向き合っています。